腸内細菌タイプ

腸内細菌タイプとは?

腸内細菌の影響で症状が出るタイプです。

まず腸内細菌について解説します。

受験するわけではないので要点のみ説明しますね。

腸内細菌は人間の腸をすみかにしています。

腸内細菌が100兆個も住んでいて,重さにすると脳と同じ1.5kgもあります。

腸内細菌については分かっていないことも多いのですが,

免疫/脳/他の内臓/代謝,と人間の主な活動のほとんどに関わっていることがわかってきています。

腸内細菌と胃

腸内細菌は食べ物からガスを作りだします。

僕らはごはんを食べて腸から栄養を吸収していますが ,実は腸内細菌もごはんを食べているんですね。

腸で発生したガスが胃酸といっしょに上がってきて逆流性食道炎の症状がでます。

これには裏付けがあり,逆流性食道炎の方の吐く息に水素ガスが多く含まれていた,という研究もあります。

 

腸内細菌は腸にも影響を与える

腸内細菌は胃だけでなく,腸にも影響を与えます。

下痢や便秘,ガス症状に悩まされている方は腸内細菌が原因の可能性があるでしょう。

下痢や便秘になる理由は,腸内細菌の出すガスで

お腹の動きがよくなりすぎる→下痢

お腹の動きが悪くなる→便秘

腸内細菌が出すガスの量が多い→ガス

というぐあいに,内臓が影響をうけてしまいます。

腸内細菌の種類によってガスの種類も変わってきますので,人によって下痢だったり便秘だっりたと症状が異なります。

SIBO(小腸内細菌異常増殖症)

ここまで腸内細菌を悪者のように書いてきましたが,冒頭にかいたように,腸内細菌は体にとって必要なものです。

問題となるのは腸内細菌が増えすぎたとき,

とくに小腸で腸内細菌が増えるといろいろな症状がでてきます。

この状態をSIBO(小腸内細菌異常増殖症)と呼びます。

なぜ小腸で腸内細菌が増えるの?

腸内細菌が小腸で増えてしまう原因は主に3つです。

  1. ストレスで胃腸の動きが悪い
  2. 胃酸が少ない
  3. 食事に問題がある

順番に説明していきます

ストレスで消化器の動きが悪い

小腸はよく動く臓器で本来は腸内細菌が増えにくいです。

振り落とされちゃいますからね。

しかし,ストレスが続くと交感神経の緊張が高まり小腸の動きも悪くなります。

このタイプの方はあまりお腹が鳴りません。
(稀に真逆の方もいます)

このお腹がなることを伝幡性消化管収縮運動(MMC)と呼びます。

食事をしない時に90分間隔で1日に9回ほどおきます。

この MMCが少ないと小腸にたまった細菌や食事のカスがたまってしまいます。

ストレスがたまりMMCが減ると,腸内細菌にとって定住しやすい環境になってしまいます。

 

胃酸が少ない

胃腸は一本の「くだ」なので,胃と小腸はつながっています。

実は胃酸によって小腸内の細菌が殺菌されているんです。

胃酸の量が少なくなれば,小腸内の細菌が増えすぎてしまいます。

胃酸を抑える薬を飲んでいたり,タンパク質・脂質が不足していると胃酸不足になります。

 

食事に問題がある

糖質を摂ると腸内細菌が水溶性食物繊維や短鎖脂肪酸を増やします。

これらは消化管運動を鈍らせますし,さらに胃の入り口である下部食道括約筋をゆるめて逆流を起こしやすくなります。

 

腸内細菌タイプの対策

ここまで腸内細菌タイプの原因について説明しましたので,対策について書いていきます。

対策は腸内環境の改善です。

攻めと守りの二面作戦でいきますが,まずは守りから。

 

腸内環境をよくする?よし!乳酸菌とって納豆食べよう!

と立ち上がった方には申し訳ないのですが,乳酸菌や納豆が逆に腸内環境を悪化させている場合もあります。

腸内環境の改善で大切なのは,消化されにくかったり,ガスを生む食べ物を避けることです。

消化されにくい食べ物を高フォドマップ食材といいます。

フッドマップの意味は

Fermentable:発酵性

Oligosaccharides:オリゴ糖

Disaccharides:二糖類

Monosaccharides:単糖類

And

Polyols:ポリオール

です。これを覚える必要はありません。

消化されにくい食べ物があって,お腹の不調の原因の可能性があることだけ覚えてください。

具体的にどの食べ物が当てはまるのでしょうか。

たくさんありすぎますので,代表的なものをあげていきます。

高フォドマップ食材はこれ

消化されにくい高フォドマップ食材について説明します。

特に良かれと思って食べがちなのが,

乳製品・納豆・うどん

あたりです。

乳製品は二糖類や発酵食品なので消化されにくく

納豆は発酵食品で

うどんは小麦がフォドマップに該当します。

とにかく大事なのは

高フォドマップ食材を避けることで腸内環境を整え,ガスの発生を抑えることで症状の改善を目指すこと,です。

僕もいろいろやりましたが,腸内環境が悪いまま色々取り組んでも,あまり改善しません。

腸内環境=炎

胃の症状=煙

と考えてください。

嫌なたとえで申し訳ありませんが,腸内環境の大切さがわかっていただけたでしょうか?

この高フォドマップ食材を2〜3週間避けていると腸内環境がかわってきます。

長くなったのでポイントを整理しますよ。

ポイント

  • 腸内で長くとどまってガスを産むのが高フォドマップ食
  • ガスは下痢便秘などの腸の症状だけでなく,胃の症状にも関わってくる
  • 高フォドマップ食を2〜3週間避けていると腸内環境が改善する

高フォドマップ食材がお腹に良くないのはわかりました!と。

じゃあなにを食べればいいんでしょうか?

朗報です。

実は低フォドマップ食材という,消化されやすい食べ物が存在します。

代表的なものをあげてみましょう。

低フォドマップ食材

うどんは高フォドマップ食材で

そばは低フォドマップ食材。

覚えづらいですよね!

低フォドマップ食材の一覧表を作りましたのでクリックしてみてください。

詳しくはコチラ

低フォドマップを使った料理はこちら

低フォドマップ食材のレシピを作成しました。

正直、低フォドマップの食材だけで料理を作るのは大変です。

同じメニューばかりだと,飽きてしまいますからね。

15種類以上のメニューを作りましたので,こちらを参考にしてください。

低フォドマップ食のメニューを見る

腸内細菌タイプのセルフケア

守りの次は攻めです。

動きの悪くなっている胃のサポートをすることで,ガスの排出を早めましょう。

やり方はこちら

腸内細菌タイプのセルフケアはこちら

 

腸内細菌タイプで出やすい症状

腸内細菌のガスによりこのような症状がでてきます。

当てはまる症状がないか,チェックしてみてください。

下痢

短鎖脂肪酸が増えると消化管の動きが悪くなり,腸内細菌と食物がふれている時間が長くなります。

この状態がさらに水素ガスや短鎖脂肪酸を作り出してしまいます。

消化管の動きが悪いと,脳は消化をすすめるため,食べ物を柔らかくするために消化管に水を引き込みます。

こうして便がやわらかい下痢になります。

便秘

メタン菌とよばれる細菌の影響でメタンガスが腸内で増えます。

糖質や食物繊維を摂ると,腸内で発酵反応がおこり水素が発生します。

メタン菌はこの水素と反応してメタンガスを作ります。

メタンガスも腸の動きを抑制しますので,結果的に便秘になります。

人によってメタンガスを作る人と作らない人がいるようです。

だから,原因が同じでも下痢だっり便秘だったりと症状の出方が違うのではないか?と考えています。

 

ガス症状

おなら・げっぷの症状をまとめてガス症状といいます。

おならもげっぷも成分の90%は空気で,残りの10%がガスです。

ここからは私の意見にすぎませんが,腸内細菌の過剰なはたらきで水素ガスやメタンガスが作られすぎることがガス症状の原因と考えています。

ガス症状のみの方は少なく,ほとんどの場合はお腹の張り,下痢,便秘もセットで悩んでみえます。

後述する改善方法に取り組んでいただくことをおすすめします。

胃もたれ

胃が重たく感じることです。

腸内細菌タイプでは,腸で発生したガスが胃の方にのぼってきて,胃が膨らみます。

この状態では,胃の蠕動運動(縮んだり広がったりして食べ物を消化する動き)がうまくいきませんので,結果的に胃もたれがおこります。

お腹が張る

胃もたれと同じく,腸からのぼってきたガスにより胃が膨らみ,お腹が張ります。

また小腸でもガスがたまるので,おへその周りも張って膨らんでしまいます。

お腹が張ると,お腹の感覚神経(前皮枝神経)が筋肉やその周りで挟まれますので,腹痛の原因になります。

胸焼け

胃の方にガスが上がってくると,胃が膨らみます。

胃の内圧が上がっているので,胃酸が逆流しやすくなり,胸焼けが起こりやすくなります。

この状態で脂肪や糖質を摂ると,胃の入り口にある下部食道括約筋がゆるみ (ホルモンや腸内細菌の影響です),より逆流しやすくなります。

食べ物が悪い!のではなく腸内環境の問題ですね。

ノドの違和感

胸焼けのところで話したように,逆流しやすくなっていますので,ノドの違和感が起こります。

呑酸

逆流が口まで到達すると,口の中が酸っぱかったり苦く感じます。

しょっちゅう口をゆすぎたくなったり,うがいをしたくなったりします。

 

腸内細菌タイプの方へ

腸内細菌タイプの方は食事の改善が必須になります。

こちらのメニューを参考に,まずは2週間取り組んでみてください。

低フォドマップ食のメニューを見る

同時にセルフケアを行うと,回復が早くなります。

腸内細菌タイプのセルフケアはこちら

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