知覚過敏タイプ
知覚過敏タイプは症状が出るのに胃に異常がないタイプです。
逆流性食道炎といわれていても検査して異常のない方や,薬を飲んでも変化がない方は知覚過敏タイプが考えられます。
知覚過敏タイプは,非びらん性胃食逆流症や機能性ディスペプシアといわれるものも含まれます。
非びらん性胃食逆流症と機能性ディスペプシアは症状がとても似ています。
違いは症状が出る場所です。
非びらん性胃食逆流症はみぞおち〜胸にかけて,機能性ディスペプシアはおへそ周りに出ます。
ここからは非びらん性胃食逆流症と機能性ディスペプシアについて説明します。
病気の説明になりますので,対処法のみ知りたい方はこちらを押して先にお進みください。
非びらん性胃食逆流症
非びらん性胃食逆流症,聞きなれない名前だと思います。
胃酸が逆流しているけど食道に異常がないよ,という意味です。
傷がないのに症状がないことから,原因不明とか精神的な問題と言われてしまうことが多いです。
そんな非びらん性胃食逆流症の症状はこちらです。
非びらん性胃食逆流症の症状
口が苦い/ノドの違和感/吐き気/胸やけ/胸の痛み
逆流性食道炎とほぼ同じといっていいでしょう。
非びらん性胃食逆流症の方が多い
この図をみてください。
胃カメラで異常がみつかる逆流性食道炎より,異常がみつからない非びらん性胃食逆流症の方が多いんです。
また,胃酸が原因ではないので,胃酸を抑える薬が効きにくいことも特徴です。
非びらん性胃食逆流症の原因とは?
食道が過敏になっている=知覚過敏が非びらん性胃食逆流症の原因と言われています。
NERD(非びらん性胃食逆流症)患者では逆流性食道炎患者に比して逆流時間そのものは少ないが,食道粘膜が酸に対して過敏であることにより,症状を強く感じる
出典:胃食道逆流症(GERD)の新しい考え方 ―とくに NERD(非びらん性胃食道逆流症)と Barrett の 病態について―
知覚過敏でおきる症状と説明
鼻水がノドを流れるのが後鼻漏(こうびろう)と呼ばれます。
鼻水がノドを流れると聞くと病気のようですが,健康な人でも1日に1〜2リットルは流れているとも言われています。
胃酸もみなさんが気づかないだけで,1日に平均50回は逆流しているのです。
みんなに起きていても,症状を感じる人/感じない人がいます。
症状が出る人/出ない人の差は知覚過敏が大きいのです。
この知覚過敏は対策をすることで改善することができます。
具体的な方法をまとめてみましたので,お困りの方はこちらをご覧ください。
機能性ディスペプシア
昔は慢性胃炎とか神経性胃炎と言われていたものです。
しかし,検査しても炎症が見つかるわけではないので,「〜炎」という名称から機能性ディスペプシアという名前になりました。
機能性ディスペプシアの症状は幅広いので,代表的なものを書きました。
非びらん性胃食逆流症との違いは胃もたれやお腹の張りが強いことです。
胃もたれ/ノドの違和感/吐き気/胸やけ/食欲不振/お腹の張り
機能性ディスペプシアは非びらん性胃食逆流症と区別がつきにくいです。
痛みや症状の出る場所で区別しますので,図にしました。
必ずしもこの図の通りに区別されてるわけではありません。
私個人の意見ですが,この2つを厳密にわけて考えるのは難しいと思います。
すこし場所が違う以外は,症状もほとんど同じです。
では機能性ディスペプシアの原因は?
原因のない消化不良が名前の由来なので,原因ははっきりしていませんが,最近では知覚過敏が原因と言われています。
お医者さんの教科書とも言える,ガイドラインにも知覚過敏の話がはっきりと載っています。
非びらん性胃食逆流症も機能性ディスペプシアも知覚過敏の可能性が高い,ということです。
知覚過敏タイプの対策
知覚過敏の説明をしましょう。
よく歯磨き粉のCMで耳にしますよね。
通常なら痛みを感じないものでも,痛みを感じてしまうのが知覚過敏。
歯「以外」の場所で起きて,例えば少し食べ物を食べただけで胃もたれする,とか胃酸を抑えているのにノドがイガイガする,などです。
では知覚過敏の原因になっているのはどこでしょう?
痛みを感じる場所は神経です。
神経が過敏になっていると,通常なら感じない痛みを感じるようになるんですね。
ここで大事なことは,過敏なのはあなたの性格ではなく,神経ということです。
過敏になっている神経をよくすれば解決する問題ですよ。
ではなぜ神経が過敏になってしまうのでしょうか?
この図をみてください。
神経にも血管が通っています。
そしてこの血管から酸素などを受け取ることで,活動を行っています。
しかしストレスや姿勢の問題などで血流が悪くなると,正常な活動が行えなくなります。
すると神経の周りは過敏になります。
お腹が硬くなったり,張る理由
知覚過敏タイプの方はお腹や背中が硬く張っています。
これについても神経が関わっています。
さきほどの図を思い出してください。
神経には血管が通っていました。
血流が悪くなると痛みを感じやすくなるんでしたね。
話を身近なものに置き換えましょう。
・ドアで指をはさんだとき
・熱いものをさわったとき
思わず手を引っ込めますよね。
痛みがあると,脳は体を守るために筋肉を縮めます。
手の筋肉がうごいて,手をひっこめているんですね。
これを逃避反射といいます。
名前は覚えなくても大丈夫ですからね。
話を戻します。
お腹の神経の血流が悪くなり,過敏になっているとそこを守るためにお腹の筋肉が硬くなります。
硬ければますます血流が悪くなるので,お腹がむくんで張ったり,冷えたりします。
この状態から脱するには?神経ケアをしよう
図の通り,神経の血流が悪くなったことが原因ですので,神経の血流をよくすることが必要です。
血流をよくすると聞くと,運動やお風呂が思い浮かびますが,それだけで解決するのは難しいのが現実です。
神経の血流をよくするにはコツがいります。
特定の神経を狙って,その神経にとって心地いい方法を行う必要があります。
当院で実際に行っている,DNMという神経にアプローチする方法をご自分でできるようにアレンジしました。
当院で行っている神経のケアをご自分でできるようにアレンジしました。
動画形式でご案内していますので,お悩みの症状に合わせてご覧ください。
あわせて食事のアドバイスをご案内しています。
こちらをご覧ください。